2023/05/17
乗り越えるということ
乗り越えるということ
朝御飯のあとでいつものように
病院の薬を飲もうとして
薬の入った包装シートを
破っていたら手元が狂い
錠剤が半分に割れその片方が
よりによって足元にあった
ゴミが入ったゴミ箱に
ゴミではないのに入ってしまった
吹けば飛ぶよな小さなかけら
しかしそれは私にとっては
私を支える命の杖
なくしてしまったらどうしよう
でもこのゴミ箱に落ちたはずだ
探せば必ず見つかるはずだ
心の動揺抑えるために
高く低く唱えながら
小さなかけらの捜索が
注意深く始まった
「一度決めたら 二度とは変えぬ
これが自分の 生きる道
泣くな迷うな 苦しみ抜いて
人は望みを はたすのさ」
歌うたんびにぐっとくる
しびれる歌詞に心躍るメロディー
大好きなこの歌のおかげもあって
私の大事な小さなかけらは
ゴミをとり尽くしたゴミ箱の底で
歓声とともに無事保護された
「人生一路」を信じてよかった
あきらめなければ望みははたせる
この歌詞すべて心を打つが
〆(しめ)の言葉がすばらしい
「花は苦労の 風に咲け」
そよ吹く風に咲く花は
そのたたずまいまで美しいが
逆風に負けずに咲く花は
その感性も知性もユーモアも
磨き抜かれて凛として立つ
苦労の風に咲く花は
この世で最も美しい
「花は苦労の 風に咲け」とは
困難を乗り越えたその先でこそ
美しい花は咲くのだから
がんばって困難を乗り越えろと
そういう意味だと思うのだけれど
困難を乗り越えるということは
たとえば病気のことで言うなら
治癒するということだけではない
もし今これを読んでいる
君が病気と懸命に闘う
困難な日々を送っているなら
少しこのことを考えてくれ
そして私が間違っているなら
間違っていると言ってくれ
仮に私が不治の病で
奮闘の末、残念ながら
命を落とすことがあったとしても
闘病生活のその中で
私が何かをそこから学び
人類の発展に貢献せずとも
なつかしい思い出を残したり
お世話になった人たちに
感謝の言葉が伝えられたら
私は確かに病気に負けず
病気を立派に乗り越えたと
私は誓って断言できる
私の病気は治らなかったが
私は前を向き成長できた
精一杯生きたと思えるならば
それは勝ったと同じことだ
死なない人はいないのだから
だからあきらめずに何事も
初心を忘れずやり遂げようと
がんばることは誰にでも
価値あることだと思うのだ
最後に私は声高らかに
この「人生一路」の最後の一節を
みんなのために歌います、と
言えればいいのですけれど
あまりにそれは無謀なので
字面を追ってもらうことで
私の心を受け取ってください
花は苦労の 風に咲け!
花は苦労の 風に咲け!
【あとがき】
引用させていただきました。作詞は石本美由
起さん、作曲はかとう哲也さんです。みなさ
ん、ありがとうございました。
スポンサーサイト
コメント
素敵なお話です
2023/05/17 09:10 by 風花(かざはな) URL 編集
Re: 素敵なお話です
2023/05/17 09:42 by あさひなせいしろう URL 編集