駄菓子屋の店先で

11月24日1の30

小学4年生の私は
お腹が痛くて
学校を休んだ

お腹の痛みは朝だけで
お昼を過ぎたら
もうすっかり
元気になっていた

友だちが様子を見に
訪ねて来てくれた

二人で
神社の近くにあった
駄菓子屋へ行った

先客がいた
同じクラスの
口さがない悪童たち

「あれ、今日学校休んだんじゃない?」
「やーい、やーい、ずる休み!」

口々にはやし立てながら悪童たちは
逃げるように店を出て
走り去っていった

私は誰に訴えるというわけでもなく
「具合、よくなったんだもの。
 ちょっと買いに来ただけだもん」
と一人でつぶやきながら
店先で泣きべそをかいた

そのときだ
その店の小太りのおばちゃんが

「なんだなんだ、
 そんなことで
 泣くな、泣くな」

と言葉をかけてくれた

こんな些細な出来事を
半世紀以上も経った今でも
鮮明に覚えているなんて
本当に不思議だな

学校を休んだのに遊びに出かけた私の行動は
非難されてもしかたのない軽率なものだった

そんな悪者の私の味方になって慰めてくれた
何が正しいかとかいう理屈なんて飛び越えた
おばちゃんの優しさが

それこそ
忘れられないほど
うれしかったんだな、きっと



【あとがき】
 50年以上も前の話です。当時、
私の住んでいる町には、子どもの
足で家から歩いていける範囲に駄
菓子屋は4軒ありました。学校が
終わった平日の午後や学校が休み
の週末には、10円銅貨を何枚か
握りしめて、友だちと相談しなが
ら、その日の気分で店を選び、梅
の甘酢漬けや「よっちゃんイカ」
などの駄菓子を買いにいったもの
です。この話に出てくる駄菓子屋
は、私の家から100mほどのと
ころにある店で、最も多く通い、
おばちゃんとも顔なじみになって
いました。その後、まだ私が子ど
もの時だったと思いますが、いつ
の間にかそのお店はなくなってい
ました。おばちゃんは、ご存命で
あれば、もうかなりのご高齢にな
っていらっしゃるはずです。

 今日も最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

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