月夜の幻想

10月28日14切り抜き30

 青白い月の光に照らされて
 たった一人でとぼとぼと
 雪の小道を歩いていると

 向こうからやってくるのは
 すらりとした妙齢の一人の女
 
 白い着物に長い黒髪
 たたずまいは雪のように
 きよらかで、またはかなげで
 うつむき加減の面差しの
 そのなんという美しさ

 それにしても解せぬのは
 この極寒の真夜中に
 灯りも持たずに娘が一人
 寂しい山道通う怪しさ

 こりゃもののけのたぐいかと
 急に鳥肌総身に立ち
 逃げようと思うがもう手遅れで
 悲鳴を上げるまさにそのとき

 鬼の形相に変わった女は
 飛んで近づき私の顔に
 白い息を吹きかけた

 と思ったら
 目が覚めた

 夕べ見たのは雪女の夢か

 そうそう、かつて月夜の晩に
 見たあの人の横顔も
 凄いほどの美しさ

 この人になら取り殺されても
 俺は少しも悔いはないと
 夢見地で思ったものだが

 あれもこれも男
 もてあそび惑わす美の魔性の
 無意識のうちに為せるわざか

 美しさのもつ地よさ
 美しさの持つ恐ろしさ

 月夜の晩のまぼろしか
 人の魂をとろけさす
 底知れぬ美の
 あやうさ怖さ



【あとがき】
 月夜の晩に、狭い道で、美しい人と
すれ違うようなときは、ご用、ご用
 雪女を詠んだ句を一つご紹介しま
す。

三日月の櫛や忘れし雪女  佐藤紅緑

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