再出発

10月18日9の30

 病気の進行とともに
 異常気象による暑さのダメージが重なって
 5月ごろから体の具合が思わしくなく
 外出もままならなくなった

 ともかく、何をするにしても
 すぐに疲れてしまう
 すくみ足が強まり、足を一歩前に踏み出すのに
 えらい苦労をする
 横になると、なかなか起き上がれない
 反射的にできた動作が
 意識しないとできない
 4月には左右とも60kg前後あった握力も 
 30kg台に落ちた

 本格的な夏を迎えると腰痛も起き
 さらに事態は悪化した

 主治医と相談し、何度か薬の調整を行い
 気温が下がり始めた秋口になって
 やっと病状が落ち着いてきた、というか
 元のレベルに戻ったというわけではなく
 病は進行し、「下げ止まった」という感じ
 
 それでも今日はさわやかな秋晴れの天気
 気分もいいし、体も動く
 ほぼ5か月ぶりに一人でカラオケボックスに行った

 歌える喜びで、思いっきり声を張って歌った
 5曲歌ったところで、声がかすれ出し
 高い音が出なくなってきた
 10曲目、音程がとれず
 メロディーがめちゃくちゃになった
 2時間45分、全25曲を
 ぼろぼろになりながら歌った
 
 無謀にも「BOHEMIAN  RHAPSODY」の
 バラード・パートを歌ってみた
 高音が出ず、必死になって字幕の英語と
 カタカナで表記された発音を追っているうちに
 バラード・パートが終わってしまった
 メロディーが空中分解した

 谷村新司さんの訃報を耳にしたので
 「遠くで汽笛を聞きながら」を歌った

 「悩み続けた日々が まるで嘘のように
  忘れられる時が 来るまでを閉じたまま

  暮らしてゆこう 遠くで汽笛を聞きながら
  何もいいことがなかったこの街で」

 追悼の思いを込めて一生懸命歌ったが
 コンピュータの採点は非情を極め
 モニター画面は
 全国平均を大幅に下回る
 驚くべき低得点を表示した

 25曲目、最後に歌ったのは
 ベット・ミドラーの「The  Rose」

 「・・・When  the  night  has  been  too  lonely
  And  the  road  has  been  too  long
       And  you  think  that  love  is  only
       For  the  lucky  and  the  strong
       Just  remember  in  the  winter
       Far  beneath  the  bitter  snows
       Lise  the  seed  that  with  the  sun's  love
       In  the  spring  becomes  the  rose

  ・・・夜が切なく さびしくなったとき
  そして道があまりにも遠すぎると感じたとき
  また 愛は幸運で強い人間にしか
  やってこないと思ったとき
  思い出してほしい 厳しい冬の
  深い雪の下には
  暖かい太陽の愛を浴びるための種があり
  春には薔薇の花を咲かせるということを」 
  
 字幕を必死に追いかけて
 ともかくも歌の最後までたどり着いた

 少し、元気になれた

 再出発をするんだ、という意識をもって
 下げ止まった場所からだけれども
 ちょっとずつでもいいから
 前に進んでみようか
 まずは一歩を踏み出してみようか
 
 まだまだ絶望するのは早すぎる
 ぼろぼろになっても
 しぶとく生きてやるんだと
 自分でそう決めたではないか
 
 私に合ったスピードで
 私のできることを
 ゆっくりと、ていねいに

 もう一度、生き抜くことに
 挑戦してみよう
  


【あとがき】
 私はパーキンソン病という病に罹って
います。
 パーキンソン病は国の指定難病です。
完治することのない進行性の病気です。
症状は患者によってさまざまですが、
私の場合、動作緩慢(動作が遅い)、
筋強剛(体のこわばりや、すくみ足な
ど)、姿勢保持障害(転びやすい)、
便秘、頻尿、疲れやすい、抑うつ症状
(気力・意欲の低下)などの症状があ
ります。体に違和感を覚えてから12
年、診断が確定し、治療が始まってか
ら10年になりますが、最近は、薬が
効いていて症状が改善している状態
(オンの状態)と、薬が効いていない
状態(オフの状態)がはっきりしてき
ていて、病気が進行しているのを感じ
ています。iPS細胞の研究が進み、将
来的にはパーキンソン病の治療におい
ても、その研究成果の応用が期待され
ていますが、現在のところ完治の見込
みはなく、薬は病気の進行を遅らせる
効果にとどまっています。
 でも、私は多くのみなさまの愛に囲
まれているのを感じています。先輩ブ
ロガーのみなさま、読者のみなさま、
医療スタッフのみなさま、友人・知人、
家族、そして大自然の営みまでも、私
を励まし、勇気づけてくれます。多く
の愛をいただいて、生かされている私
です。そのご恩返しの意味でも、これ
からも気力・体力の続く限り、自分の
思いをこのブログから発信していきた
いと思っています。
 パーキンソン病に罹患していること
は、私の感受性や思考や人生観に大き
な影響を与えています。というより、
パーキンソン病は、私という人間を形
成している、私の個性の重要な一部で
す。
 だから、私のを読んでいただく上
でも、私がを創っていく上でも、こ
の病については、いつかはみなさまに
お伝えした方がよいのではと思ってい
ました。それが、今日になりました。
この際、あらためてブログを始めた当
初の思いに立ち返ってみたいと思いま
す。

「今日の日を 生きたる証 一編」

 今後とも引き続き、どうぞよろしく
お願いいたします。

 なお、作品の中で引用した歌詞は、
次のとおりです。

〇「遠くで汽笛を聞きながら」
 作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄
 (1976年)

〇「The Rose」
 作詞・作曲:AMANDA  McBROOM
 (1979年) 

いつも応援をいただき、感謝してお
ります。
 最後まで読んでくださり、ありがと
うございました。 

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コメント

新たな門出

素敵な未来が開けることを心からお祈りしています。
私も改めて、
love is only For the lucky and the strong.
だと感じていた矢先でした。
花を愛でることが出来るのもそういう方達なのでしょうけど、深い雪の下でじっと耐え、しぶとく生きていくのも大切なことなのでしょう。
陰ながら応援しております💖

Re: 新たな門出

応援のコメント、ありがたく思います。やっかいな病気ですが、なんとか希望を見い出しながら周囲の方々に感謝する気持ちを失わず、しぶとく生きていきたいと思っています。ブログの内容を読んでいただくと、私という人間は、穏やかな性格で、悟ったような心境で生きているように見えるかもしれませんが、実際は、わがままで短気で、なにかというと自分が悪いのに人のせいにしたり、私を粗末に、ないがしろにしていると周囲に当たり散らしたりしている、鼻持ちならない、精神的に非常に未熟な人間なのです。殊勝なところなど、これっぽっちもない人間なんですよ。そんな人間なので、よけいに風花さんの励ましが心に響き、うれしく感じます。本当にありがとうございます。
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あさひなせいしろう

Author:あさひなせいしろう
 拙い文章を読んでいただき、とて
もうれしいです。心より感謝申し上
げます。
 もしも何か感じるものがありまし
たら、「フリーエリア」のバナーを
それぞれ1回ずつクリックしていた
だけると、さらにうれしいです。私
のブログの生きる糧になります。お
手数をおかけしますが、どうぞよろ
しくお願いいたします。
 こうして読んでいただけたのも、
何かのご縁にちがいありません。あ
なたの人生の今日というかけがえの
ない一日が、すばらしいものになる
ことをお祈りいたします。
 最後まで読んでいただき、ありが
とうございました。
  

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