ありふれたことに

30ホトトギス(美人・永久)
          ホトトギス 
             花言葉:「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」  



  リビングの壁の片隅に、マザー・テレサの
 小さな「日めくり名言集」が掛けられてある

 01番から31番までナンバリングされた
 マザー・テレサの片言隻句が束ねられ
 日めくりで繰り返し読めるようになっている
 ひと月で一巡する勘定だ

 もう何年も前に私が本屋で買ってきたものだが
 家族に読まれている形跡はなく
 かくいう購入者の私も 
 最近はあまり読んでいない

 その証拠に、かの名言集は
 04番のまま、もう何日も
 めくられることなく放置されている
 
 確かに含蓄のある名言が集められていて
 刺激を受けることが多々ある有意義なものだが
 だから私は買い求めたのだが
 日々の慌ただしさの中で
 失礼な扱いをされるようになっていた
 
 ところが最近、身の不調に伴って
 不安感に悩まされるようになったとき
 ふと目に留まったこの04番の言葉が
 ひとすじの光明のように
 私のに飛び込んできた

 「04 ありふれたことに、
  人並み外れた愛を込めなさい。」

 「大きなことをする必要はありません。
  小さなことに、大きな愛を込めればいいのです」
 マザー・テレサはよくそう言っていたそうだ

 私が求めていたものは、何か大きなものだ
 大きなこころざし
 大きな仕事
 大きな貢献
 ところが、それが見つからず、悩んでいた
 何もできない自分に、苦しんだ
 
 でも、私が力を注ぐべきことは
 大それたことではなく
 ありふれたことでいいんだ

 この発想に、私は救いを見い出すことができた

 元気よく朝のあいさつをする
 食事を作ってくれた妻に感謝の気持ちを伝える
 配達にきてくれた郵便屋さんに笑顔で「ありがとう」という
 丁寧にバスタブを洗う
 
 そこに救いはある

 ありふれたことに
 愛を込めると
 
 それは
 ありふれたことではなくなった



【あとがき】
〇「マザー・テレサの小さな『日めくり名言集』」について 
 具体的には、次の商品です。 
 「[日めくり]超訳マザー・テレサ
  幸せはいつも、ささやかなことの中に」
  片柳弘史(PHP研究所) 

 暖かな日が続いたと思ったら、急に寒く
なったりして、次第に寒さが定まってきた
ようです。インフルエンザの流行も伝えら
れています。季節の変わり目、みなさま、
どうぞくれぐれもお体ご自愛ください。

 みなさまの変わらぬ応援に感謝いたしま
す。今日も最後まで読んでくださり、あり
がとうございました。
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風よ

11月25日30
 ススキの穂が激しく揺れている
 
 空はあんなにも青く高い

 そうだ、風よ吹け
 小さな綿毛の種子を巻き上げろ
 高く高く、もっと高く
 そして遠くへ、もっと遠くへ 

 お日様はめいっぱい光を放っている

 そうだ、風よ吹け
 瞬くよりも、光よりも速く 
 そして私の胸の奥でくすぶっている
 この迷いを吹き飛ばしておくれ
 
 天上で雲は白く輝き、空気は澄み切っている

 そうだ、風よ吹け、もっと吹け
 私の胸の中で熱くなっていく思いから
 驕りと偽りを除き去り

 そしてこのの中のすべてを
 あの人に見せられるように



【あとがき】
 11月25日土曜日は、「天気晴朗
なれど風強し」とでもいうようなお天
気でした。それで、風へ頼みごとをす
るようなを作りました。
 11月ももう終わりで、間もなく慌
ただしい12月がやってきます。風邪
をひかれませんように。お互い、がん
ばりましょう。

 みなさまの応援に感謝いたします。
 最後まで読んでくださり、ありがとう
ございました。

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白日夢

11月23日5の30
 秋の日の昼下がり
 日当たりのよい
 南に向いた居間のガラス戸をとおして
 光がいっぱいの
 明るい庭を眺める
 今日は秋晴れの、よい天気だ
 
 こんな秋の日には
 小鳥のさえずりや虫の声 
 道路を走る自動車のエンジン音
 人のささやき声までも
 あらゆる物音が一斉に鳴りを潜め
 身近な世界が一瞬の静寂に包まれる
 そんなときがよくあるものだ

 今日はそんな静寂が続く
 私の大好きな秋の午後になった
 
 穏やかな日和の中
 静寂に包まれて
 あたたかなお日様の
 日差しを浴びて目を閉じると
 厄介な体のこわばりも
 と体にこびりついたしつこい疲れも
 人付き合いの煩わしい思いや
 苦い恋の思い出さえ
 陽だまりの中に
 静かに溶けてゆき
 そして私は癒され
 いつの間にか私は
 つかの間の眠りに落ちる

 つかの間のまどろみの中で
 私はつかの間の夢を見る

  「愛とは許すことである」
  と誰かが自信ありげに主張する
  でも、それでは悲しすぎると
  私は密かに思う
  許し続けるあなたの面影は
  いつも寂しそうだからだ
  
  「あなたの求める誠の幸せは
   いったいどこにあるのですか?」
  
  答えを見つけようとするが
  答えはいつまでたっても手に入らない
  夢の中で、なぜか申し訳ない思いだけが募っていく
  
 苦しくなって目を開けると
 変わらぬ静かな秋の午後があった
 
 私は脈絡のない夢から離れ
 うしろめたささえ感じながら
 現実の世界に戻っていく

 するとそのときだ
 急に一陣の風が立ち
 開け放った窓から軽やかに忍び込むと
 こうささやいて
 私の傍らを通り過ぎていった

 「想い続けるしかないんじゃないかな
  本当に幸せにしたいんならね」



【あとがき】
 こちらでは穏やかな秋晴れの日が続いて
いますが、週末は急激に気温が下がる見込
みだとか。寒くなる地域のみなさま、どう
ぞお体ご自愛ください。

 ブログへの訪問や応援、とてもうれしい
です。本日も最後まで読んでくださり、あ
りがとうございました。

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晩夏の思い出

8月23日雲1の30

 晩夏
 私は夏を思い出の額縁に入れる

 胸の奥に沁み入る明るい青空も
 目を射るまぶしい純白の入道雲も
 万人を黙らせる傍若無人の夕立も
 挑戦的なヒマワリも 控えめなアサガオも
 昼寝の夢も 忍び込むそよ風も
 
 美しく照り映える灼けた肌も
 募る思いも 別離の悲しみも

 私はみんなみんな
 思い出の額縁に入れてしまう

 夏の記憶をみんな額縁にぶち込んで
 私はこの夏と
    きっぱりと訣別する

 未練がましく過去を振り返らないように
 不安な思いに負けないように

 新しい季節を迎え入れるために
 新しい出会いを求めるために
 
 晩夏
 私は今年の夏を思い出の額縁に入れる

 こんなにも意気地がなく、弱虫の自分が
 少しでも前に進めるように

   

【あとがき】
 夏には、旅行に行ったり、新しい人や物
事との出会いがあったりして、私にとって
は、夏は特別な季節です。だから、夏との
お別れが迫る晩夏のころは、寂しさが募り
ます。その寂しさに負けないようにと
整理に努めるのですが・・・なかなかうま
くはいきませんね。特に若いころの失恋の
経験などは強烈で、なかなか立ち直れなか
ったものです。そんなとき、傷の私に寄
り添ってくれたのは、中島みゆきの歌だっ
たり、映画「男はつらいよ」だったりしま
した。でも、待ってください、もしかした
ら失恋のダメージというのは、老いも若き
も変わらないかもしれないなぁ、知らんけ
ど・・・。
 
 みなさまからの応援にから感謝申し上
げます。
 今日も最後まで読んでくださり、ありが
とうございました。

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欲望

11月18日1の30
 11月の陽射しは、暖かいけれども、鋭い
 特に西日は、肌に突き刺さるようだ
 西日をまともに受けた雲は
 薄黄色く変色し
 輪郭をぎらぎらと震わせ
 怒りを露わにする
 
 11月の陽射しは暖かく鋭いが
 雲に遮られて日が翳ると
 突然冷たい風が吹き始め
 様相は一変、氷の世界に豹変する

 あの日、鋭い陽射しと冷たい風が
 交互に降りかかる中
 胸騒ぎを覚えながら
 私は車をとばして
 息子の住む町に向かった
 
 あの時から
 私の中で11月は
 どうしようもない不安と
 やり場のない怒りの記憶に支配された
 特別な月になった
 
 11月の空を見上げると
 もっともっと生きたいと思いながら
 やむなく死んでいった若者の
 気が狂いそうなほどの無念の思いが
 激しく渦巻いているのが
 私には見える

 (俺は簡単には死なねえぞ)

 私は過去を振り返って
 自分を責めたりなどしないし
 (しないように努めているし)
 こんな結論に達した私自身の
 思考と情緒のメカニズムを
 分析しようなどとも思わない

 ただただ生きることを渇望するこの
 己の欲望に衝き動かされて
 生きていくだけだ

 (俺はボロボロになってもいいから、
  悔いを残さねえように生きてやる。
  そうやって、俺なりに、人生を全うしてやる)
 
 11月23日、息子死去。
 享年26歳。

 今年も肌を刺すような鋭い陽射しがいっぱいの
 まで凍らせるような冷たい風も吹く
 11月がやってきた


【あとがき】
 今年の11月12日、菩提寺で
息子の七回忌の法要を行っていた
だきました。月日の経つのは早い
ものです。でも、主のいなくなっ
た息子の部屋の整理は、未だに手
つかずのままです。彼の部屋に入
るといろいろな思い出がよみがえ
り、今でも胸がいっぱいになって、
何もできません。
 
 いつも応援していただき、感謝
申し上げます。
 最後まで読んでくださり、あり
がとうございました。


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葛餅(くずもち)

11月21日1の30

 葛餅を食べる
 一人で食べる
 黙って食べる
 振りかけたきな粉でむせないように
 静かに食べる
 湯呑みから立ちのぼる湯気を見ながら
 ゆっくり食べる

 窓からは朝の光

 今朝は霜が降りて
 いちだんと寒い



【あとがき】
 みなさまからの応援に、より感謝
申し上げます。
 今日も最後まで目を通していただき、
ありがとうございました。

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温かいもの

11月20日11の30

「温かい生姜湯を飲んだら
 それまでこわばっていた体が
 柔らかくなったような気がする」

 体が徐々に動かなくなる
 難病を患っている知人の女性が
 ネット上でこうつぶやいた

 確かにそうだ

 温かい生姜湯
 温かいご飯
 温かい味噌汁

 お日様の陽射し
 寒空の下に咲いた菊の花

 あなたの笑顔
 あなたの言葉
 あなたのまなざし 

 重ねた手のぬくもり

 温かいものは
 も体もほぐしてくれる

 たとえその場になくても
 それを思うだけで
 人を幸せな気持ちにしてくれる

 温かいものは
 みんないいな


【あとがき】
 寒くなってきました。温かい
ものが恋しい季節になりました。
 いつも温かな気持ちで応援し
てくださり、感謝しています。
拙い文章を最後まで読んでくだ
さり、ありがとうございました。


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月は病んでいる

10月24日8の30

寒空に冴え冴えとした青白い光を放ち
私のを虜にする魅惑的な
月の写真を撮ろうとスマホを構え
モニター画面を見ると

そこには
黄色く濁った光を放つ
輪郭がぼやけた、汚れた月が映っていた

「今宵 月は病んでいる」
自然にそんな言葉が思い浮かんだ

ところが
撮影の構えを解き
直接月を見なおすと
彼女は孤高の姿で
夜空にその輪郭をくっきりと刻み
冴え冴えとした青白い光を放っている

問題を抱えているのは彼女ではなく
私の方なのだ

本当のところ
病んでいるのは
私の体であり
私のなのだ

言葉を操るときの
危険な欺瞞性に目をそむけ
どれほど長い間
私は日を送ってきたことか

お陰ですっかり
自分を騙すことに
なれてしまった

恋わずらいの原因は
すべて自分にある

月が病んでいるのではない
病んでいるのは
私の体であり
私のなのだ



【あとがき】
 久しぶりの投稿でしたが、最後まで
読んでくださり、ありがとうございま
した。またどうぞよろしくお願いいた
します。


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プロフィール

あさひなせいしろう

Author:あさひなせいしろう
 拙い文章を読んでいただき、とて
もうれしいです。心より感謝申し上
げます。
 もしも何か感じるものがありまし
たら、「フリーエリア」のバナーを
それぞれ1回ずつクリックしていた
だけると、さらにうれしいです。私
のブログの生きる糧になります。お
手数をおかけしますが、どうぞよろ
しくお願いいたします。
 こうして読んでいただけたのも、
何かのご縁にちがいありません。あ
なたの人生の今日というかけがえの
ない一日が、すばらしいものになる
ことをお祈りいたします。
 最後まで読んでいただき、ありが
とうございました。
  

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