一輪の赤いバラの花を

9月1日月2の30

 何年か前の年末、平日の、空席が目立つ映画館で
 映画「ボヘミアン・ラプソディー」を観た
 その時の感動が、折に触れて鮮やかによみがえり
 今も私のを癒してくれる 

 映画のラストシーン
 突如、「悲しみ」が
 私の前に立ち現れ
 私のを鷲掴みにした

 不意をつかれた無防備な私は呆然とし
 それから涙がどっと溢れ出し
 まもなく客席で嗚咽を必死にこらえる私がいた

 フレディ・マーキュリーが自ら弾くピアノの
 美しく切ないメロディにのせて
 一人の貧しい少年の
 この上ない悲劇を歌い始めたのだ

 「Mama, just killed a man
       Put a gun against his head
       Pulled my trigger, now he's dead
       Mama, life had just begun
       But now I've gone and thrown it all away」
 (ママ、たった今人を殺してきたよ
  奴の頭に銃を突きつけ
  引き金を引いたら死んだんだ
  ママ、僕の人生は始まったばかりなのに
  僕はもう台無しにしてしまった)

 「「ボヘミアン・ラプソディー」は難解な
  歌で、フレディはこの作品で何を言おう
  うとしているのか私には皆目わからない」

 こんな意見を目にすることがあるが
 この歌は論説文でも、青年の主張でもないから
 筋道立てて、ある結論を導き出すものではない

 考えるのでなく、まずは感じようとして
 芸術作品としてを無にして向き合えば
 彼が表現しようとしたことは
 自明のように思える
  
 と音楽と歌唱と
 すべての表現力を駆使して
 彼は私たちにとてつもなく大きな
 「悲しみ」を提供してくれているのだ

 私たちがふだんの奥底に押し込めている
 それぞれの深い悲しみを解放し
 思いっきり泣いてを救えるように
 彼はこの世で最も悲劇的な「悲しみ」を主題とした
 「ボヘミアン・ラプソディー」を作ってくれた
  
 彼のお陰で私たちは
 導かれるように自分の悲しみに向き合い
 思う存分泣いて
 を癒すことができる

 「Mama, ooo
       Didn't mean to make you cry
       If I'm not back again this time tomorrow
       Carry on, carry on as if nothing really matters

       Too late, my time has come
       Sends shivers down my spine
       Body's aching all the time
       Goodbye everybody, I've got to go
       Gotta leave you all behind and face the truth
       Mama, ooo
       I don't want to die
       I sometimes wish I'd never been born at all
 (ああ ママ
  悲しませるつもりじゃなかった
  もし明日の今頃 僕が戻らなくても
  今のまま生きていって
  何事もなかったかのように

  もう遅いんだ 僕の最期が来たよ     
  背筋がぞくぞくして 
  体の痛みが消えない
  さようならみんな 僕はもう行くよ
  みんなの元を離れ 現実と向かいあうんだ
  ああ ママ
  死にたくないよ
  いっそのこと 生まれてこなきゃよかった)

 心の奥に隠れた悲しみ
 本当は心が折れそうになっているとき、この歌は
 「悲しいときは、我慢しなくてもいいんだよ」
 と断言してくれ
 私の心を救ってくれた

 フレディ・マーキュリーは
 大きな悲しみを抱えて生きた人ではなかったか
 だから、「ボヘミアン・ラプソディー」を
 作ることができたのではないか

 悲しみを経験した人こそ
 人の悲しみを理解できる
 もしそうであるならば
 悲しみを味わい、心傷ついたことがある
 あなたも私も
 悲しみに沈む誰かに
 一輪の赤いバラの花を贈り
 その人を元気づけることができるはずだ
 
 私たちも
 100万人のファンを持つ
 フレディ・マーキュリーにはなれないが
 たった一人の愛する人の
 フレディ・マーキュリーには
 なれるかもしれない

 悲しみを味わい、心傷ついたことがある
 あなただからこそ
 人を愛することができるはずだ
 
 一輪の赤いバラの花を
 あなたが幸せにしたいと思うその人に
 手渡してみてはいかがでしょう
 


【あとがき】
〇映画「ボヘミアン・ラプソディー」
 イギリスの世界的な人気ロックバンド
「Queen」のボーカル、フレディ・マー
キュリーの半生を描いた映画です。日本
での公開は2018年11月9日。世界
中で大ヒットし、アカデミー賞では、フ
レディを演じたラミ・マレックが主演男
優賞を受賞するなど、4部門で受賞しま
した。映画の題となっている楽曲の「ボ
ヘミアン・ラプソディー」は、1975
年に発表された、Queenを代表する曲で
す。作詞・作曲はフレディです。なお、
フレディ・マーキュリーは、1991年、
45歳で亡くなっています。
 私は、そのストーリーとQueenの音楽
に魅了され、映画館に6回足を運びまし
た。真実の愛を求め続けた孤独な一人の
人間を描いた、感動的な映画です。

 いつも応援をしていただき、感謝
いたします。
 最後まで読んでくださり、ありが
とうございました。


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