抜け殻

8月25日蝉の抜け殻3の50

 セミの抜け殻を見つけた
 8月下旬の早朝
 庭に面した物干し台の
 ウッドデッキの側面に
 ぽつんと一つ、へばりついていた

 きのう、辺りに夕闇が迫るころ
 セミは7年間過ごした
 闇に閉ざされた地中から
 残照に照らされた地上に這い出し
 板の凹凸に爪をかけ
 羽化を始めたのだ

 自身をおおう殻から抜け出し
 大きく伸びをしてから  
 羽を広げ、体を乾かして
 ついにセミは飛び立ったのだろう
 
 セミの命が尽きるのは1週間後
 セミたちも、その宿命から
 逃れることはできない、だから
 残された1週間
 セミは命をかけて恋をする

 セミは勇んで飛び立ったのだ
 命の炎を燃やすため
 恋に命をかけるため

 残された時間はあとわずか
 悩んでいるヒマなどもうないのだ
 抜け殻だけを形見に残し
 命をかけて恋をするセミに
 僕は幸あれと願う

 一方、この僕ときたら
 いつの間にか君の虜になってしまい
 もはや魂は君に奪い去られ
 
 セミの抜け殻を見ながら
 僕は抜け殻のようになって
 身動きもできず
 ただぼんやりと
 君のことを恋い焦がれているばかり




【あとがき】
〇セミの寿命
 セミの寿命は、土の中で幼虫として
過ごす期間が約7年、成虫として地上
で生きる期間が7日程、合わせて約7
年と7日とされています。羽化を経て
大空へ飛び立ったセミの成虫に残さ
れた時間は、たったの7日。この7日
間、セミは命をつなぐ樹液と恋の相
手を求めて、その命を燃やし尽くし
ます。何とドラマチックで、激しく
て、潔い一生なのでしょうか。

 いつも応援いただき、感謝してお
ります。
 最後まで読んでくださり、ありが
とうございました。

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愛の指南書

8月20日蝶50
                 ヤマトシジミ

 
 なぜこんなにも
 苦しい思いをするのだろうと
 何度思ったことだろう
 好きな人からの
 手紙の返事を待っているときの
 あの落ち着かない気持ち
 
 なぜこんなにも
 辛いのだろうと
 幾度嘆いたことだろう
 恋しい人からの
 レスが来ないときの
 あの焦燥感

 恋をしているはずなのに
 は乱れに乱れ
 恋しい人を恨むのは
 間違いなのだとの
 至極もっともな思いが
 苦しみにさらに拍車をかける
 
 与えられることを待つだけの生き方に
 苦しみが宿ることを教えてくれたのは
 短い祈祷文だった

 待つことは必要なことだが
 自分の都合に合わせて恩恵を得ようとする
 受け身のものの考え方が
 自分を苦悩に導くことに気づかせてくれた
 古風な響きを持つ祈祷文

 人を愛することができない自分に
 愛の真実を教えてくれた
 愛の指南書のような祈祷文
 
 あなたを本当に愛せているかどうか
 不安になった今日もまた
 縋りつくように確かめる
 叡智あふれる祈祷文

 記された言葉をたどるたびに
 愛する覚悟と意気そのままで
 愛に満ちた人生を生きる
 あなたを彷彿とさせる祈祷文

 その祈祷文の名前は
 「フランシスコの祈り」

 「主よ、慰められるよりも慰め、
  理解されるより理解し、
  愛されるよりも愛することを
  求めさせてください。」
  
  とてもまねなどできませんが
  祈るように生きていけばそこには
  救いがあるようにも思うのです



【あとがき】
〇「フランシスコの祈り」について
(「フランシスコの平和の祈り」)
全文(「ウィキペディア」より)
「主よ、わたしをあなたの
 平和の道具としてくださ
 い。
 憎しみのある所に、愛を
 置かせてください。
 侮辱のある所に、許しを
 置かせてください。
 分裂のある所に、和合を
 置かせてください。
 誤りのある所に、真実を
 置かせてください。
 疑いのある所に、信頼を
 置かせてください。
 絶望のある所に、希望を
 置かせてください。
 闇のある所に、あなたの
 光を置かせてください。
 悲しみのある所に、喜び
 を置かせてください。
 主よ、慰められるよりも
 慰め、理解されるより理
 解し、愛されるよりも愛
 することを求めさせてく
 ださい。
 なぜならば、与えること
 で人は受け取り、忘れら
 れることで人は見出し、
 許すことで人は許され、
 死ぬことで人は永遠の命
 に復活するからです。」

〇象徴としての蝶
 蝶の写真は、自宅の庭で
撮影したものです。調べた
ところ、キリスト教では、
蝶がサナギから成虫に変身
するところから、キリスト
の復活と重ね合わせ、「復
活」の象徴とされているそ
うです。「フランシスコの
祈り」の中にも「死ぬこと
で人は永遠の命に復活する」
という表現があるので、蝶
の写真を使いました。蝶を
神の使いとみなす宗教もあ
るようで、確かに飛び方も
独特で、恐れもせず人に寄
ってくるときもあるし、ち
ょっと不思議な昆虫です。

 いつも応援いただき、感
謝いたします。
 最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

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ミニトマト報告

 ミニトマト
                ミニトマト 花言葉:感謝

 涼風吹き渡る夏の朝です
 今日も間違いなく日は昇り
 朝露にぬれてツユクサは
 青と黄色のコントラストも鮮やかな
 小さくて可憐な花を咲かせています
 
 万物がおのおの
 それぞれの大切な務めを果たしている
 光り輝く朝です
 私は庭に出て深呼吸をします
 自然の息吹が
 私をほっとさせてくれます
 
 昨日、広島に住む友だちが
 自分で作った茗荷のぬか漬けと
 旅先で手に入れた銘菓を
 わざわざ送ってきてくれました

 おととい、Facebookの投稿にコメントを送ったら
 そのコメントに二人の方から
 「いいね」をいただきました

 同じくおととい、車で90分かかる鍼治療院へ
 妻に連れていってもらいました
 2、3週間ごとの通院を、もうかれこれ5年
 その間、送迎について
 妻の愚痴を聞いたことは一度もありません
 
 愛は案外照れ屋なのかもしれません
 日常生活のささやかな営みの中に
 普段はその身を隠してしまっていて
 めったにその姿を現わしません

 自然の息吹や人との交流
 何の変哲もない日々の営みの中にこそ
 愛は隠れているように思います

 愛の作用というものは
 潮が満ちてくるときの
 渚の風景に似ているようにも思います
 
 寄せ来る波は乾いた砂を潤し
 潮がしだいに満ちてくるにしたがって
 潤う砂浜はいつの間にか広がっている

 要するに愛は
 ひと波ごとにゆっくりと満ちてくる
 渚の満ち潮のように

 ゆっくりとに沁み、広がって
 知らぬ間に人のに安らぎや癒しを
 与え続けてくれている

 何の変哲もない日々の営みの中で
 何かをきっかけにして、うかつな私は
 愛の存在にやっと気づきます

 私は病気をいくつも持っています
 でも、私は、いくつもの
 温かな愛に囲まれています
 だから、私は、幸せです

 妻が育てている鉢植えのミニトマトが
 ピカピカのきれいな実を結びました



 【あとがき】
  いつも応援いただき、感謝しており
 ます。
  最後まで読んでくださり、ありがと
 うございました。

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再生の序章

 8月11日14 5割

 夏の青空がまぶしく広がっていると思っていたら
 たちまち雷鳴がとどろき、突風が巻き起こり
 にぎやかな蝉たちの声もかき消される
 大音量の雨音
 大粒の雨が凄まじい勢いで
 叩きつけるように降ってきて
 そしてすぐに止んだ
 夏空が衝動に駆られて
 大声で叫んだんだ
 「こんな退屈な毎日なんて、真っ平御免だ!」

 生きづらさに息が詰まりそうな日々
 悪夢のようにまとわりつく過去の辛い記憶
 常に何かに耐えながら生きる人生
 の奥の奥に抑え込んでいる
 微笑みで隠した蠢く暗い情念

 でも、限界があるよ 
 
 だから、我慢しないで吐き出して
 自分を閉じ込めている
 牢屋の鉄格子を突き破って
 よどんだ日常を蹴散らすんだよ

 叫べ、怒れ、泣きじゃくれ!

 そうやって本来の自分を取り戻すんだ
 幼いころの自分の笑顔を
 ありのままの本当の自分を
 魂の真ん中に深く刻み込まれた
 何者も手出しのできない君自身を
 しっかりと見つけるんだ
 
 そうして、もう一度
 自分を好きになるんだ

 自分を好きになれたなら
 もっと好きになるために
 磨きぬかれたおしゃれをして
 背筋もピンと伸ばして
 自信に満ちあふれて
 街に繰り出すんだ、そして
 男たちを、女たちを
 思う存分悩殺するんだ

 さあ、君が同意するのなら
 今から再生の物語を始めよう

 その序章は、こうだ

 まずは、思い切り激しく
 叫べ、怒れ、泣きじゃくれ!

 我慢しないですべてを吐き出せ!

 自分を閉じ込めている
 牢屋の鉄格子を突き破って
 よどんだ日常を蹴散らすんだ




【あとがき】
 いつも応援をいただき、より
感謝いたします。
 最後まで読んでくださり、あり
がとうございました。


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庭の片隅で

8月10日30割
             ヘクソカズラ 
                 花言葉:人嫌い 誤解を解きたい 意外性のある

 病気のせいで
 体が思うように動かなくなってから
 でもじっとしているのも嫌で
 朝の日課にしているのが
 家の周囲をとぼとぼと歩くこと
 
 毎日顔を合わせるアサガオは
 もうすっかり顔馴染みの間柄で
 しかも日を追うにつれて
 知り合いはどんどん増えていく

 今まで気にもとめなかった
 邪魔者として引き抜かれ
 刈られてしまう野の花にも
 病が進むにつれて
 しだいに魅かれるようになった

 ハルジオンにヒメジオン
 ヤブランに早咲きのコスモス
 オニノゲシ、カタバミ、ツユクサ
 
 みんな淡々と命をつなぎ
 ちいさいけれども鮮やかで魅力的な
 美しい花を静かに咲かせている
 
 ヘクソカズラもそういう草花の一つだ
 誰が名付けたのか、このひどい名前
 小さな花はこの上なく可憐で
 しかも赤と白の彩りは温かさにあふれ
 私を優しい気持ちに導いてくれるのに

 ヘクソカズラの花言葉は
 「人嫌い」
 「誤解を解きたい」
 「意外性のある」
 
 その臭いの特性から
 こんな命名をされ
 こんな花言葉が与えられたが
 この花も、自然の中で
 その生を全うさせようと
 微動だにしないで生きている

 毎日のように己の人生の不如意を嘆き
 不安にさいなまれて家族に愚痴を漏らす
 自分とは大違いだ

 周囲の思惑に左右されず
 人の誤解に振り回されず
 人から見れば「意外性」とも映る
 自分のかけがえのない個性に気づき
 それを磨くことで
 いただいたこの生を
 なんとか生き切りたいものだ

 そんなことを考えながら
 明朝もゆっくりゆっくり歩いて
 あきらめずに小さな幸せや希望
 庭の片隅で見つけたい

 そうして、機会があればまた
 この思いをあなたに
 繰り返し伝えていきたい

 人生、捨てたもんじゃないよ
 前に進めなくても
 前を見ていれば
 何かが変わるかもしれないよ


【あとがき】
〇「ヘクソカズラ」
 漢字で表記すると「屁糞葛」となります。
茎や葉をちぎると、表記のような臭いがす
るということで、こんなひどい名前が付け
られましたが、写真のような、赤と白の、
ちょっと野暮ったい小さくてかわいらしい
花を咲かせます。写真は自宅の庭に自生し
ていたものを撮影しました。私の好きな花
の一つです。

 いつも応援をいただき、感謝いたします。
 最後まで読んでくださり、誠にありがと
うございます。


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小さい花

8月8日カタバミ2 30%

             カタバミ 花言葉:喜び 輝く

夏の朝のそぼ降る雨に濡れながら
小さい小さいカタバミの花が
ぽつんぽつんと咲いていた

その黄色い花は
小さい小さい花なのに
喜びではちきれそうに咲いていた

小さい小さい花なのに
思う存分花びらを広げ
生きる喜びを振りまいていた

昼近くなって見に行くと
カタバミの花は炎暑に耐えようと
花びらを固く閉じてじっとしていた

カタバミは地面に根を張って動けないが
生きるために一生懸命自分を守り、鼓舞し
朝になって生きる喜びを爆発させる

小さい小さい花なのに
その生を全うしようとする姿は
あっぱれだ

小さい小さい花なのに
凛として生きるあなたのようで
私はとてもかなわない




【あとがき】
 いつも応援をいただき、より
感謝申し上げます。
 最後まで読んでくださり、誠に
ありがとうございました。

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星を見る

8月5日のアサガオ3割大 
                      アサガオ 花言葉:明日もさわやかに

 かつて
 アイルランドの人が
 こんな言葉を残した

 「二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。
  一人は泥を見た。一人は星を見た。」

 狭い牢屋に閉じ込められていても
 泥を見たり、星を見たりして
 想像の翼を自由に
 はばたかせることはできる
  
 うつ向いて泥を見るか
 夜空を仰いで星を見るか
 何を見るかも選ぶことができる

 「こうあらねばならない」と
 一つの考え方に固執して
 いつの間にか思考の柔軟性を失い
 知恵の目を曇らせている自分がいる
 
 思えば私たちはみな
 何かに固執することで
 その何かに縛られ
 ときに、そのことによって
 自らを苦しめ、人を不幸にする
 罪人(つみびと)なのかもしれない

 あるいは避けられぬ運命に翻弄され
 自由を奪われた悲しい囚人なのかもしれない

 だったらなおのこと
 美しいものを見てをなごませ
 をこめて人と交わり
 希望をもって生きたいものだ
  
  何も変わらないとしても
 私は星を見ていたい

 何も変わらないかもしれないけれど
 泥を見てを暗くするよりも
 星を見て明るい想像に浸っている方が
 奇跡に近づけそうな気がする

 星を見てみませんか
 花を眺めてみませんか

 恋を、夢見てみませんか



【あとがき】
 〇「 二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。
  一人は泥を見た。一人は星を見た。」
 アイルランドの作家、フレデリック・ラン
グブリッジ(1849~1922)の「不滅の」の
一節。ただ、「不滅の」の全文は、よくわ
からないようです。

 最後まで読んでくださり、誠にありがとう
ございました。

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感じるんだ!

                                                                                                                                                                                                                                                               8.1.4.30%

 雨上がりの夏の朝
 鮮やかに発色した緑に魅せられて
 私は庭に出ていった

 涼しい風が吹きすぎていく
 朝日は草の上に残った雨の雫をきらめかせ
 青い小さなツユクサの花は
 「これでもうおしまい?」と
 私を誘惑する

 私は誘惑に負け
 靴を脱いで裸足(はだし)になって
 芝生の中をでたらめに歩きまわる

 伸びた細い葉は
 足の甲をくすぐり
 足裏はその下にある固い大地の
 存在の大きさを思い知る

 私は自然の息吹に触れ
 覚醒し、再生する
 喜びで、笑いが込み上げてくる

 そのとき
 どこからか
 声が聞こえてくる

 Don’t think. Feel!
 考えるな。感じるんだ!

 と体が感じなければ
 私たちは動けない

 美しさや誠実さを感じることで
 私たちは豊かになる

 知恵の光は「感覚」に宿る

 頭で考えるよりも
 と体で感じることの方が
 先だ

 Don’t think. Feel!
 考えるな。感じるんだ!

 家に閉じこもらずに
 外に出て風に吹かれよう

 まぶしい日の光を浴びよう
 青い月の光に照らされよう
 
 そして感じるんだ
 この世界のすべての美しさを
 森羅万象の尽きせぬ不思議を
  
 Don’t think. Feel!
 考えるな。感じるんだ

 遠くから、あるいは間近で
 あの人を感じるんだ

 人を恋する喜びも
 その辛さも、恐れずに
 あの人を感じるんだ

 考えるな。感じるんだ!
 
 すべてはそこから始まる




【あとがき】
〇「Don’t think. Feel! 
  考えるな。感じるんだ!」
 映画「燃えよドラゴン」の中で、カンフー
の達人を演じるブルース・リーが、弟子の少
年に伝授した教えです。
 ちなみに、今年はブルース・リーの没後50
年にあたります(1973年7月20日死去。33歳)。
「燃えよドラゴン」の公開は、香港が1973年
7月26日、アメリカが同年8月17日、日本は同
年12月22日でした。興行収入4億ドルの大ヒッ
ト映画となり、世界中でカンフーブームが巻
き起こりました。しかし、映画が公開された
とき、ブルース・リーは既にこの世の人では
ありませんでした。映画の公開と同時に、ブ
ルース・リーは、伝説の人となったのです。
 アクションシーンになったときの鬼気迫る
表情。怪鳥音と呼ばれた耳をつんざく気合。
他の追随を許さない武術演技。格闘技の神髄
を極めようと生きた人生。映画のワンシーン
を観るだけでも、今でも私のは躍り、新た
な感動を覚えます。ブルース・リーは私の永
遠のヒーローです。

 最後まで読んでくださり、誠にありがとう
ございました。


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プロフィール

あさひなせいしろう

Author:あさひなせいしろう
 拙い文章を読んでいただき、とて
もうれしいです。心より感謝申し上
げます。
 もしも何か感じるものがありまし
たら、「フリーエリア」のバナーを
それぞれ1回ずつクリックしていた
だけると、さらにうれしいです。私
のブログの生きる糧になります。お
手数をおかけしますが、どうぞよろ
しくお願いいたします。
 こうして読んでいただけたのも、
何かのご縁にちがいありません。あ
なたの人生の今日というかけがえの
ない一日が、すばらしいものになる
ことをお祈りいたします。
 最後まで読んでいただき、ありが
とうございました。
  

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