いつまでも、ずっと

   魂は不滅なのか?

 知人の告別式に行った
 家族葬ということだったので
 ご遺族にお悔やみを申し上げ
 お香料をお供えし
 お焼香をさせていただき
 式には参列せずに辞した

 帰途の車中で考えた

 魂は不滅なのか?
 それとも
 死とともに無に帰するのか?

 私は
 「魂は滅びず、永遠に存在し続ける」
 と考える

 なぜって
 美しいあなたの姿に
 こんなにが惹きつけられ

 優しいあなたの配りに
 こんなにが温かくなり

 聡明なあなたの言葉に
 こんなにが勇気づけられるんだから

 そんな、この上なく精妙で繊細で確かな
 の働きを常に感じている身としては
 を司る魂が永遠に存在することは
 これは、もはや議論の余地はないんです
 
 科学的根拠なんて、これっぽっちもないけれど
 魂は、不滅であるに決まってる
 そうでないと、魂自身が納得しないし
 私の感性も、心と体も納得しない

 「死とともに無に帰す」なんて
 私には、到底受け入れがたい考えだ
 
 私だけでなく、たぶんあなたも
 諸手を挙げて賛成してくれると信じる 

 仮に私が先にこの世を去るとして
 それからはもう
 あなたを見ることができないなんて
 それは死ぬより辛いことだ

 だから、私はこの世を去っても
 いとしいあなたを
 未来永劫、見守り続ける

 もちろん
 この世におさらばする前に
 ちゃんとあなたに
 了承を得てからね
 
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あなたとの対話

   知恵の光

 いつも前につんのめるように
 生き急いでいる私は
 あなたの前でも前後の見境もなく
 一方的に思いを吐露してしまう

 ときには気持ちを昂らせ
 激しい感情を、そのまま乱暴に
 まるごとあなたにぶつけてしまう
 
 また、ときには落ち込むの奥まで
 すっかりあなたにさらけ出し
 あなたをひどく戸惑わせてしまう

 そんな私の大人げない所業にも
 あなたは慎重に言葉を選び
 私を傷つけぬようにして
 私を知恵の泉に
 いつの間にか導いてくれる

 汲めども尽きぬ知恵の泉に
 辛抱強く導いてくれたあなたによって
 私が学び得たもの 
 
 対話は、人を幸せにする魂のふれあいであること
 たわいのない話題が、を癒してくれること
 ありのままに、のままに生きることの真実
 人の一生とは
 自己のアイデンティティーを探し求める旅であること
 そして、その旅の途上で、人は本当の自分に出会うこと
 対話は、
 争いを収め、絶望を回避する
 最善の方法であること
  
 閉ざされた闇の中に見えてきた
 曙光のような私の未来

 あなたとの対話を積み重ねていくうちに
 私のの中に芽生え、膨らみ続けている思い

 あなたと対話することのよろこび
 あなたへの感謝と
 切なくなるほどの敬意


こんにちは

   つながる   

 蒸し暑さの中にも
 吹き渡る風に涼しさが感じられる
 ある梅雨の日の夕暮れ
 近くの団地に沿う道を
 独りとぼとぼ歩いていると
 向こうから一人の小柄な少女がやってきた

 リュックを背負った、半袖・短パン姿
 この団地に住む、部活を終えて帰宅する中学生だろう
 そう思って再び視線を足元に落とし
 とぼとぼと覚束ない歩みを続けていると

 「こんにちは」

 と思いがけず少女があいさつしてくれた
 二人の間は10mほどあったが
 私のに届く、はっきりとした声だった
 
 「・・・こんにちは」

 あわてた私は、それでもすぐに気持ちを高め
 少女に負けないように
 少女のに届くように
 がんばって、はっきりとした声で応えた
 それから二人は微笑みを交わしたわけでもなかったが
 知らない二人のがつながったようで
 私はうれしかった

 どこで何が起こるかわからない
 今のこの物騒な世の中だが
 知らない男に挨拶する恐れよりも
 人とののつながりを大切にする
 少女の優しい思いが優ったのだ

 その小柄な少女は
 背筋を伸ばし、前を向いて
 変わらぬスタスタとした足取りで
 団地の中へ入っていった
 私も変わらぬとぼとぼ歩きで
 その団地を去った

 神よ
 少女に祝福を、ご加護を
 その無垢で純粋な魂を
 未来永劫にわたって守り給え

メッセージ

   あなたの夢は、なんですか

 立ち入ったことをお伺いいたします
 あなたの夢は、なんですか
 それを思い浮かべるだけで
 胸がときめき
 生きる勇気と活力が
 全身にみなぎってくるような
 あなたがあなたでいられるような
 その夢とともに歩めば
 毎日が楽しく、そして
 きっと成長することができると思えるような
 そんな
 あなたの夢は、なんですか

 夢を追うあなたを私は
 言葉でもって応援したい
 そういう夢をもっています
 だから、立ち入ったことを
 お伺いいたします
 あなたの夢は、なんですか
 
 夢を探している方も
 きっといらっしゃることでしょう
 あせらず、じっくりと探してください
 あなたの人生を決める、一世一代の
 選択になるかもしれないんですから
 
 自分が楽しいと思っていることから
 夢をつかむきっかけが
 気づきが生まれることもあります
 あなたが楽しいと思うことは
 いったいなんですか

 それは
 サッカーをすること?
 中原中也を読むこと?
 ドヴォルザークを聴くこと?
 それとも
 生きる希望を与えてくれる
 温まるエッチな動画を見ること?

 あなたがから楽しいと思うことを
 思い出してみてください、そして
 あなたが本当のあなたに出会える
 そんな場所から
 夢を見てみてください
 あなたにぴったりの
 夢が見つかるかもしれません

 もう一度
 立ち入ったことをお伺いいたします
 あなたの、私が大好きなあなたの
 夢はなんですか
 「そんな大袈裟な『大志』はないんですよ」
 なんておっしゃらないで
 私にこっそり教えてください
 あなたを応援したいんです

 あなたの夢は、なんですか

おかえりなさい

   魂のふるさと

 人はこの世のほかに
 それぞれが魂のふるさとをもっている
 一日の務めを終え、眠りに就くと
 人はその日の出来事の記憶を胸に抱き
 それぞれの魂のふるさとに帰って
 ふたたび目覚めるまでの間そこでしばしやすらう
 そうして、魂のふるさとでは
 毎日、魂の再生が行われる

 恋人と楽しい時間を過ごした日には
 その幸せなときを反芻し
 口さがない世間の噂話に傷ついた日には
 その傷を癒し
 妖しい情念にも体も翻弄された日には
 と体をいたわり
 本来のあるべき自分にもどってゆく
 そこでは、人は人の世のわずらわしさから解き放たれ
 穏やかに時が流れる
 そうして魂は生まれ変わる

 一日の務めを立派に果たし
 よそ行きの装いをそろそろ脱いで
 素の自分にもどろうとしている
 いとしいあなたを
 万感の思いを込めた言葉で
 今夜は私があなたを
 あなたの魂のふるさとへご案内しましょう

 おかえりなさい
 おつかれさま
 きょうも、いっしょうけんめい生きましたね
 さあ、あなたの魂のふるさとで
 ゆっくりお休み
 疲れは癒され、は整い
 そうしてあなたは本来の自分にもどり
 明日の朝、生まれ変わるのです
 より美しく
 よりいきいきと
 明日の朝、あなたが希望とともに目覚められますように
 おやすみなさい
 
 

それはBVLGARIですか

   あなたの今を知りたい

 あなたの使っていらっしゃる
 香水の名前を教えてください

 それは、BVLGARIですか
 それは、Penhaligon’sですか
 それは、Christian Diorですか
 それとも、100均の廉価品ですか

 ブランドなんか、どうでもいいんです
 昨日あなたが席に座るとき
 ほのかにただよってきたあの香り
 あなたのお人柄まで偲ばせる
 あなたの美しさを
 さりげなく引き立たせている
 あの魅惑的な香り

 あなたの使っていらっしゃる
 あの香水の名前を教えてください

 過去のあなたのことなど
 知りたいとも思わない
 過去のあなたなど
 もうどこにもいないのだから
 
 百害あって一利もない
 過去の忌々しい記憶など
 さっさと葬り去り
 あなたを慈しみ育ててくれる
 大切な思い出だけを
 選りすぐって小綺麗な宝箱におさめ
 いつでも取り出せるように
 あなたの部屋にしまっておけば
 それでよい
 過去はもうどこにも存在しないのだから

 私は今のあなたが知りたい
 一生懸命生きている
 あなたの今を知りたい
 私のを虜にする
 あなたの美しさの
 あなたの優しさの
 すべてを見とおす聡明さの
 その秘密を

 そしてもっともっと
 恋する喜びに酔いたいのです
 人が香水の芳しい香りに
 陶酔するように
 そうして今のあなたを
 せいいっぱい愛したいのです
 
 だからまずはその手始めに
 あなたの使っていらっしゃる
 あの香水の名前をどうか
 どうかこの私に
 そっと教えてください

 

アスチルベの花

6・21・7   
                                            
   麗しいあなた

 アスチルベの花は可憐な花
 薄暗い日陰の中でも花開き
 明るい光でを照らす

 アスチルベの花は優美な花
 白やピンクの穂状の花は
 まるで花嫁のウェディングドレス

 アスチルベの花は宿命の花
 変えようのない宿命に
 一人毅然と立ち向かう

 アスチルベの花言葉は
 「恋のはじまり」「落ち着いた明るさ」 
 あなたの魅力そのままの花

 アスチルベの花は私に
 恋の喜びを教えてくれる
 いつの間にか己の姿を
 麗しいあなたに変えて

 アスチルベの花よ、あなたよ
 逆境に負けずいつまでも
 人のを癒す
 美しい花を
 咲かせ続けよ
 
 冬の厳しい試練を乗り越え
 太陽と大地の愛をいっぱいに受けて
 そよ風に吹かれてゆれる
 そのたおやかな姿で
 私のを満たしておくれ
 
 大好きな
 アスチルベの花よ
 
 麗しい
 あなたよ

あなたの言葉

   愛の言葉にみちびかれ

 ゆうべメールで送られてきた
 あなたの言葉で初めて知った
 自分を疑う私の
 あなたを深く傷つけたことを
 自分を信じられない私の
 あなたをひどく悲しませたことを
 そんな弱い私の
 丸ごとあなたが思ってくれたことを
 
 あなたの優しい言葉にみちびかれ
 私は自分を疑わず
 自分を信じて生きていこう
 あなたが私を信じたように
 
 そうしてやがてその時が来たら
 急いであなたを迎えにいこう
 今度は私があなたの手を取り
 高原のテラスへ案内しよう

 あなたをすっかり安させて
 温かくうるおうあなたの
 あなたを囲む花たちに促され
 自然に語り出す誠の言葉に
 花たちとともに耳傾けよう

 穏やかにつむぎだされるあなたの言葉は
 確信に満ちた幸せにあふれ
 聞く者すべてを優しくするだろう

 そして私はそのあなたに
 疑いも不信も拒絶した
 愛の言葉をとどけよう
 

ヒーロー

   眼科診察待合

 今日は眼科の診察日だ
 午後の2時
 最も暑い盛りに家を出る

 眼科診察室の前の待合スペース
 午後の予約で、比較的すいている
 空いている長椅子に座り
 順番を待つ

 眼科の前を通りかかった女性事務員が
 長椅子に置き去りになっている
 婦人用の帽子を見つけ
 持ち主を問うが
 誰も名乗り出ない
 仕方がないので、彼女は帽子を持って
 40mほど離れた総合受付の方へ
 その帽子を届けに向かった

 事務員が立ち去ると間もなく
 診察室から腰の曲がったおばあさんが出て来て
 「あれ? 帽子は・・・?」
 と声をあげた
 さっきの帽子はこのおばあさんのもので
 診察室に入っていくに際して
 長椅子の上に置いていったものとみえる

 周囲の人たちが
 「その帽子はさっき・・・」
 と説明を始めると
 その近くに座っていた
 ジーパンに緑のTシャツ姿の青年が
 「とってきます」
 と一言
 すっくと立ち上がり
 スタスタと事務員の後を追っていった
 その、急ぎ足で総合受付に向かう彼の後ろ姿は
 人助けをする
 かっこいいヒーローに見えた

 身近なところで英雄的な行為を
 「」を目撃できるときもある
 人生、まだまだ捨てたもんじゃない

追悼・その1

   おとうさん

 「マァマ」
 「はぁい」
 「パァパ」
 「はぁい」

 君が片言の言葉を話し出したころ
 自分の発声が意味をもって相手に届き
 相手がしっかりとそれを受け止め
 今度は自分に返してくれるという
 言葉を媒介としたの交流に目覚め
 その面白さに夢中になった君は
 応えてくれることがうれしくてうれしくて
 ぴょんぴょん跳びはねながら
 飽くこともなく繰り返し繰り返し
 母と父に呼びかけ続けた

 「マァマ」
 「はぁい」
 「パァパ」
 「はぁい」

 何度も繰り返しているうちに君は
 時にはこんな間違いも犯した

 「マァマ」
 「はぁい」
 「パァパ」
 「はぁい」
 「マァパ」
 「・・・?」

 あまりに急ぎ過ぎたのか
 はたまた別々に言うのが面倒になったのか
 母と父が混じってしまった君の造語に
 みんなで大笑いした

 こうして「ママ」と「パパ」が
 君が母と父をよぶときの呼称となった

 やがて時は流れ
 少年になった君にとって
 「パパ」は恥ずかしい言葉となり
 かといって「おとうさん」も
 何だか照れくさくて使えず
 父に気安く話しかける言葉を失い
 君は父と話をしなくなる年代になった

 そうして君は
 二十五歳の若さで
 この世に別れを告げた
 旅立つまでに君は
 何回ぐらいこの父を
 「おとうさん」と呼んでくれたっけ
 君の「おとうさん」には
 なかなか出会えなかったけれど
 「おとうさん」と呼びかけられると
 胸の奥がほっこりして
 うれしい気持ちが
 体中に広がったものだよ
 
 できれば私の最期のときに
 枕元で言ってほしかったが
 そんなことを言っては
 君がかわいそうだ
   
 短い間だったけれど
 どうもありがとう
 「おとうさん」と呼んでくれて
 どうもありがとう

プロフィール

あさひなせいしろう

Author:あさひなせいしろう
 拙い文章を読んでいただき、とて
もうれしいです。心より感謝申し上
げます。
 もしも何か感じるものがありまし
たら、「フリーエリア」のバナーを
それぞれ1回ずつクリックしていた
だけると、さらにうれしいです。私
のブログの生きる糧になります。お
手数をおかけしますが、どうぞよろ
しくお願いいたします。
 こうして読んでいただけたのも、
何かのご縁にちがいありません。あ
なたの人生の今日というかけがえの
ない一日が、すばらしいものになる
ことをお祈りいたします。
 最後まで読んでいただき、ありが
とうございました。
  

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