ジョロウグモ

9月30日クモ2の30
                                                       ジョロウグモ

 9月最後の美しい朝
 大きなジョロウグモが
 新しい巣作りに励んでいた

 巣全体をつるす「橋糸」を力強く張り渡し
 そこに巣の外枠となる糸と放射状の足場糸を
 思いっきり広々と確保した上で
 最後の仕上げに粘着力のある横糸を
 せっせと張り巡らせている

 クモはこの巣にかかった昆虫の体液を吸い
 己の命をつなぐのだ
 太古の昔から繰り返されてきた
 生命保持のいとなみ
 誰にも文句は言わせないといわんばかりに
 ジョロウクモはせっせと巣作りに励む

 やがて完成した大きな蜘蛛の巣は
 ジョロウクモにとっては命を育む大切な揺り籠となり
 捉えられる虫たちにとっては不気味な罠となって
 朝陽に輝くことだろう

 ジョロウグモが
    人間が勝手に命名した、悲しい響きをもつ
 その名前などおかまいなしに
 おのれの生を全うしようと
 もって生まれたその資質を生かすように
 
 私も、そしてこれを読んでいるあなたも
 私やあなたの特性や持病など
 それは総じて個性といって間違いではないが
 そういう自分の個性を生かして
 そう、持病まで生かして
 誰に恥じることもなく
 誰におもねることもなく
 誇りをもって自分という人間を
 開花させることができたら
 
 それはたとえば
 「生まれて来てよかった」
 そういう感慨を伴うものだと思うが

 それにまさる喜びはないだろう 




【あとがき】
 ジョロウグモの写真は9月30
日に撮影しました。自宅の周りに
は蜘蛛の巣がいっぱいで、被写体
不足を悩むことはありません。

 いつも変わらぬ応援に、より
感謝申し上げます。
 最後まで読んでくださり、あり
がとうございました。

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蝶は逃げた

9月27日キチョウ3の30
 庭木の葉の先にとまっていた
 黄色い小さな蝶がきれいだから
 抜き足、差し足、忍び足で近づいていったら

 逃げられた・・・

 取って食おうとしたわけじゃない、私は
 ただ近くでよく見ようとしただけなのに

 しかし蝶にしてみたら
 自分より何百倍も大きい私という怪物が
 のっしのっしと近づいてきたら
 やっぱり身の危険を感じて
 危機を回避しようと飛び立つのは
 至極当然のことだ

 あるいはもしかしたら私から逃げたのではなく
 個人的な事情によって飛び立つそのときを蝶は
 まさに迎えていたのかもしれない 
 私の影響は皆無だったのかもしれない

 閉塞感ただよう日常から
 一区切りつけたい過去から
 変わりたい自分から
 まっさらな未来へと
 人は飛び立とうとするときがある

 もし私がその人と
 何らかの関わりがあったとしたら
 一抹のさみしさは感じるにしても
 快活に見送ってあげたいものだ

    遅かれ早かれ、別れは必ずやってくる
 旅立ちのチャンスはそんなにあるものではない
 だからせめて笑顔で見送りたい

 そんなことを考えていたら
 急に蝶が健気な存在に思えてきて
 愛しくなった

 青空の下、飛び立った黄色い蝶は
 あちらこちら、ひらひらと舞い
 しばし羽を休める場所を
 探し求めているように見えた



【あとがき】
 自宅の庭では、今、何種類かの蝶の
姿が見られます。蝶の種類など私はほ
とんどわかりません。スマホで写真を
撮り、それを画像検索して、ヤマトシ
ジミとキチョウだけは覚えました。そ
のほかに知っている蝶は、モンシロチ
ョウとアゲハチョウぐらい・・・・。
この作品に描かれているのは、キチョ
ウです。掲載した写真は、自宅の庭で
私が撮影したものです。素人の写真で
す。よく撮れてません。ご容赦くださ
い。

 いつも応援、ありがとうございます。
 今日も最後まで読んでくださり、感
謝申し上げます。 

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曼殊沙華

9月26日30
                      曼殊沙華
                            花言葉:「情熱」「想うはあなたひとり」


曼殊沙華は赤い花
おしべも、めしべも、花弁も、茎も
みんなみんな、まっかっかに燃えてるよ

赤は情熱の色
すべてを焼き尽くしても
後悔のかけらも見えないよ

燃え上がる恋は赤い色
互いに惜しみなく与え合って
見返りを求めないよ

君は秘められた情熱
暗闇の中に灯る
赤い炎、愛の化身

君はいつも胸の中で
密やかな息づかいのもと

ただ一人だけを想って
華奢な曼殊沙華のように

静かに、一途に
愛の炎を燃やしているよ



【あとがき】
 自宅の庭で曼殊沙華が咲き始めました。
それはそれは鮮やかな赤い花です。手で
触れると、ヤケドをしそうな花です。静
かに燃えているような花です。そんなこ
とを想っていたら、こんなができまし
た。

 いつも応援をいただき、感謝しており
ます。
 最後まで読んでくださり、ありがとう
ございました。

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あなたを想う

9月9日アサガオ2の30割
 朝 目覚めると 雨
 雨が降っている

 雨は
 あきらめるための 言い訳
 隠れた希望への 架け橋
 再生のための 休息 
 あるいは
 あなたの頬を伝う ひとすじの涙
 
 朝 目覚めると 雨が降っている
 雨の朝 あなたを想う



【あとがき】
 9月23日、お彼岸の朝は雨でした。

「ひと雨ごとに秋になると人はいう」

 確か、中原中也のの中にこんな一
節があったように記憶しています。涼
しくなればいいな。

 いつも応援、ありがとうございます。
 今日も最後まで読んでくださり、あ
りがとうございました。どうぞ今日も
お元気で。


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花を見る

9月2日30
                     アサガオの花とハチ

 花は動けない
 でも
 
 そこに咲いているだけで
 ハチを呼び寄せることができる

 そこに咲いているだけで
 見る人の足をとめてしまう

 そこに咲いているだけで
 私の心を奪ってしまう

 花は動けない
 でも

 一生懸命咲くことで
 命あるものと
 かかわりをもつ

 一生懸命咲くことで
 恋さえ立派に
 成就させてみせる
 
 ツユクサのようなあなた
 アサガオのような君
 ヒマワリのようなそこの彼女

 悲しみがやってくるのを
 いつも自分のせいにして
 心を閉ざしていませんか
 
 すべては自分が悪いんだと
 自分を責め続けていませんか
 
 理不尽な仕打ちの原因は自分にあると勘違いして
 責任をとろうとしていませんか

 いいではないですか
 そうかもしれないし
 そうでないかもしれない
 ここはとりあえず美しく咲く花を見て
 心をいったん空しくしてみませんか
 
 花は動けないけれども
 その個性的な魅力で見る者の心を巧妙に動かす
 自然はかなりしたたかです

 あなたがた一人一人にも備わっている
 あなたがたの個性的な魅力や
 自分のしたたかさに気づけば
 何でもできそうに思うのですが
 
 自分の個性的な魅力を自覚し
 したたかに生きることで
 希望が生まれ
 希望が生まれることで
 生きる力が湧き出てくる

 少なくともあなたがたは
 花よりも動けるし
 まだまだ自分の個性的な魅力に気づいていない
 自分のしたたかさにも気づいていない

 自分の個性的な魅力やしたたかさに気づけば
 よりよく生きるための戦略が立てられる
 
 自分の個性的な魅力やしたたかさを自覚することが
 大人になるってことではないでしょうかね

 美しく咲く花をお手本にして
 一度しかない人生
 思う存分生きてみたいものです



【あとがき】
 前回の記事で、飼っているヒョウモン
トカゲモドキが死に瀕していることを書
きましたが、その後、9月17日の朝、
永眠いたしました。ご心配やお見舞いを
いただいたみなさま、誠にありがとうご
ざいました。

 いつも応援をいただき、感謝申し上げ
ます。
 最後まで読んでくださり、ありがとう
ございました。


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プロフィール

あさひなせいしろう

Author:あさひなせいしろう
 拙い文章を読んでいただき、とて
もうれしいです。心より感謝申し上
げます。
 もしも何か感じるものがありまし
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だけると、さらにうれしいです。私
のブログの生きる糧になります。お
手数をおかけしますが、どうぞよろ
しくお願いいたします。
 こうして読んでいただけたのも、
何かのご縁にちがいありません。あ
なたの人生の今日というかけがえの
ない一日が、すばらしいものになる
ことをお祈りいたします。
 最後まで読んでいただき、ありが
とうございました。
  

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