2023/09/28
蝶は逃げた
庭木の葉の先にとまっていた
黄色い小さな蝶がきれいだから
抜き足、差し足、忍び足で近づいていったら
逃げられた・・・
取って食おうとしたわけじゃない、私は
ただ近くでよく見ようとしただけなのに
しかし蝶にしてみたら
自分より何百倍も大きい私という怪物が
のっしのっしと近づいてきたら
やっぱり身の危険を感じて
危機を回避しようと飛び立つのは
至極当然のことだ
あるいはもしかしたら私から逃げたのではなく
個人的な事情によって飛び立つそのときを蝶は
まさに迎えていたのかもしれない
私の影響は皆無だったのかもしれない
閉塞感ただよう日常から
一区切りつけたい過去から
変わりたい自分から
まっさらな未来へと
人は飛び立とうとするときがある
もし私がその人と
何らかの関わりがあったとしたら
一抹のさみしさは感じるにしても
快活に見送ってあげたいものだ
遅かれ早かれ、別れは必ずやってくる
旅立ちのチャンスはそんなにあるものではない
だからせめて笑顔で見送りたい
そんなことを考えていたら
急に蝶が健気な存在に思えてきて
愛しくなった
青空の下、飛び立った黄色い蝶は
あちらこちら、ひらひらと舞い
しばし羽を休める場所を
探し求めているように見えた
【あとがき】
自宅の庭では、今、何種類かの蝶の
姿が見られます。蝶の種類など私はほ
とんどわかりません。スマホで写真を
撮り、それを画像検索して、ヤマトシ
ジミとキチョウだけは覚えました。そ
のほかに知っている蝶は、モンシロチ
ョウとアゲハチョウぐらい・・・・。
この作品に描かれているのは、キチョ
ウです。掲載した写真は、自宅の庭で
私が撮影したものです。素人の写真で
す。よく撮れてません。ご容赦くださ
い。
いつも応援、ありがとうございます。
今日も最後まで読んでくださり、感
謝申し上げます。